(3)
雲ひとつ遥かな空を流れ往く
           そっと後追う赤とんぼかな


風柔くススキ揺られし秋の夜に
           浴衣姿の乙女ぞ可愛い


軒下にツバメ飛び交え巣を作り
           幼き生命そっと育む


ただ思う我の生まれたその日さえ
           何も無きしは寂しき事ぞ


思い出に苦しき事のみ多かりき
           されど我まだ生き長ら得ぬ


時往かば淡く消え去る面影の
           果敢無きことに心戸惑う


時失くし都会の夜の騒音も
           慣れれば悲し子守唄かな


そよ風に揺れる荒地の枯れススキ
           果敢無く流る世世の跡かな


町外れ人目を避けて一人きり
           寂しく歩む雨の山道


長き髪揺らして過ぎる乙女見て
           昔の恋を想い起こせり


友来たる懐かしき想い駆け巡る
           時の経過も忘れ語りぬ


子守唄聞けば懐かし母の背が
           今は曲がりしおふくろ哀れ


海原を飛び交い進む渡り鳥
           そっと祈ろう彼等の無事を


雑踏の孤独を愛し傷ついて
           ひとり嘆くは哀れな事ぞ


酒に酔い寂しき心紛らわし
           醒めれば虚し我身なりけり


長き髪見れば懐かし君恋し
           瞼閉じれば揺れる面影


枯れ葉散る小道にひとり佇めば
           頭垂らして故郷想う


大人等の夢無き夢の侘しさよ
           明け往く明日はただの明日なり


連れ立ちて長き旅路の航行に
           幸せ求め波間漂う


爽やかな秋の青空眺むれば
           燃える山々映りて浮かぶ


暗闇に流る雨音淋し気に
           ポツリポツリと嘆きて落つる


暮れかかる土手佇み見上ぐれば
           君住みしけり空は夕暮れ


秋風に揺れる心の襞襞に
           古き想いが彷徨い歩く

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